episode 2
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“ OUROBOROS ”
自我確立以前の幼年期における無葛藤な姿
人間精神(プシュケ)の元型を象徴するもの
[OUROBOROS(ウロボロス)]
自らの尾を咥えて円形になった蛇やドラゴンの姿で表されたウロボロス。
古くから循環性や始原性といった「死と再生」や「永遠」などを意味するシンボルとして紋章などにも広く存在してきたモチーフ。
スイスの精神科医・心理学者であるカール・グスタフ・ユング/ Carl Gustav Jungによれば、ウロボロス的とは心理学的に、自我が確立される前の幼年期における無葛藤な状態を指す。
まだ事象の善悪 ・ 価値を判断できない、自身の意志 ・ 欲望と現実との差異に葛藤しない未成熟の状態。
人間精神(プシュケ)の元型を象徴するものである。
[behind / 製作過程]
― RING
如何に装飾のないミニマルなデザインで表現するか、ということが、ユングによる‘ 自我未成立 ’ や ‘ 幼年期 ’ といった(‘ 始原 ‘ 性や’ 無垢 ‘ にも転じるような)「ウロボロス」に対する解釈・イメージと重ね合わさった造形となっています。丸線を用いて成形されたリングは、ミニマル且つ少しファニーな表情を与えるために、下顎のない口元と、INDIVIDUALISM/DIVIDUALISMのコレクションであることを表す(三日月型のような)シンボルマークをウロボロスの目として配置し刻印しています。
― PENDANT
より始原的な‘ 循環性 ‘ や ‘ 永続性 ‘ などの意味合いに重きを置いたデザインが、ウロボロスのペンダントです。リングと同様に丸線を用いて成形されながらもディテールが異なり、まさに蛇のように上下に口を開いて自身の尾を咥える寸前を捉えたようなデザインです。このディテールによって輪っか自体に方向性を与え、より流れを感じる造形となっています。